現役医系技官の衝撃内部告発本です。
読んだあとに知ったのですが、この本、発売直後に自主回収になってるんですね。図書館に普通に置いてあったんですが……。
『新型インフル禍の真犯人 告発! 死の官僚』回収に関するお詫びとご報告
一部抜粋↓
出版部としては、新型インフルエンザの実態を国民にできるだけ早く伝えるため、緊急出版することにし、そのため厚生労働省医系技官の著者・村重直子氏からお話をおうかがいしたうえで、文章を編集部でまとめることにいたしました。しかしながら、編集業務を急ぐあまりに、事実関係の確認が十分でなく、医学的に不正確で、誤った表記が多数あり、結果として、村重氏の著書としては、タイトルもふくめて本意と違うものになってしまいました。著者の村重氏と話し合い、同書を可及的速やかに回収するという結論にいたりました。また同書は村重氏の書いたものでないため、同氏に内容上の責任はありません。
「事実関係の確認が十分でなく、医学的に不正確で、誤った表記が多数あり」とあるんですが、自主回収されちゃったらほんとに間違ったこといってるかどうか確認することなんかできませんよね。
医系技官とは、厚労省の役人であり、日本の医療方針を決めるという重大な責務を負った人たちです。
ところがこの人たち、医師免許は持ってるんですが医療現場で働いたことはなく、国家公務員Ⅰ種の試験をパスして役人になったわけでもないようです。この人たちが、日々とんちきなお達しを出して現場を混乱させているようです。
その一例が新型インフルエンザ騒動のときの「水際作戦」です。
海外渡航者の中から発熱した人を見つけ出し、強制的に隔離しようって作戦だったんですが、潜伏期間なら熱がでないから問題なく入国できちゃうわけで、まっとうな知識のある医療関係者なら無駄な作戦であるのがすぐわかるものだったようです。
さらに愚の骨頂だったのが防護服です。防護服というのは病原菌が付着するのを前提に作られているので、検疫現場ごとに使い捨てるものらしいのですが、このときの免疫官たちは同じ防護服を着たまま次の機内、次の機内へと向かっていったそうです。自分たちがウイルスをまき散らす可能性があるにもかかわらず……。
もちろん防護服を着ている免疫官には自分たちのやっていることの危うさが分かっているんですが、仕方がありません。それが上からの通達なのですから。
そのほかにもワクチン問題や、がん登録制度、事故調事案など、医系技官たちのとんちき大作戦が、紹介されています。
個人的には著者が体験した日米の医療現場の比較が面白かったです。
アメリカでは絶対入院したくないですね。
まあ、上記のような理由で自主回収された本なので、書かれている内容が「正しい」かどうかは保障できかねますが。
著者(となっている医系技官)は、この3月で厚労省を退職されたようですが、ネット上ではいろいろ発言されているみたいです。
活躍しすぎて、ある日、意味不明な軽犯罪で逮捕、起訴とかにならなきゃいいけど……と、今から心配です。